九州大学 芸術工学部 工業設計学科 KYUSHU UNIVERSITY SCHOOL OF DESIGN DEPARTMENT OF INDUSTRIAL DESIGN

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工業設計学科のまいにち

新津裕隆&山下創平

社会にデザインがどういうものか、
というのを浸透させたい

新津 裕隆&山下 創平

2011年度入学

Q.高校生の自分と大学生の自分、何が大きく変化しましたか?

 山下:自分の世の中を見る目が激変したと思います。自分ははっきり言って、芸術工学部に入りたくて受験したわけじゃないんですよね。高校の頃は、ずっと部活ばかりやっていて3年生の夏に部活が終わってから勉強を始めました。1年生の教科書から(笑)。それにそもそも小さい頃はずっと「人の気持ちがわかる医者になる!」と言っていて芸術工学部の存在もセンター試験が終わって九大で行けそうな学部は…と調べて初めて存在を知ったくらいですから(笑)そんな僕でしたが、入学してデザインについて学ぶうちに、デザインができることの広さを知り、人のためにデザインを使って何ができるか?を考えることがどんどん面白くなっていきました。基本的にデザインの考え方は困っている企業やユーザーなどに対して、その悩みの解決策を提案し、具体化できる方法だと思っているのですが、これって幼少期に考えていた人の気持ちがわかる医者(人を助けたい、人の役に立ちたい)とすごく共通しているなと感じています。高校生の頃は何も考えずに街中を歩いていましたが、今ではこれはどうしてこうなっているんだろう?なんでこんな形をしているんだろう?など、街中のあらゆるモノやしくみ、サービスなどを気にしながら歩くようになったので、忙しいです(笑)以上の点が、かなり大きく自分が変わった点だと思います。

 新津:ぼくは、とにかく高校時代はオリンピックにでたかったんです!それしか考えてなかったです(笑)ただ選手として出るのはさすがに高校生の今からではやっぱ難しいかな、というのは現実的に考えるとわかっていたので、どうしようか…?と考えたときに、選手としてではなく、選手たちが使う道具を作る人になればいいんだ!と思いました。自分が作ったものがオリンピックに出れば、それでオリンピックに出たことになるじゃん!と気が付いたわけです。で、この芸術工学部工業設計学科に入学したのですが、勉強していくうちに、別にオリンピックに出る手段は道具を作るだけではないな、と思い始めました。オリンピックで使用する建物でもいいし、オリンピックに関する情報のデザインでもいいし、オリンピックそのものの運営などのしくみについて考えるのでもいいし…。自分がオリンピックに出る手段はまだまだたくさんあることが、工業設計学科で学ぶうちにわかりました。そういった視野の広がりを持てたことが、高校生の頃の自分と今の自分では大きく違うと思います。

 山下&新津:結局、二人とも自分の視野が広がり、いろいろな考え方ができるようになったことが大きく変わった点だと言えるね。あと、高校生のころは漠然としていたやりたいことが、大学生になっていろいろな勉強をするうちに自分のやりたいことの本質を見つけることができたので、それがきっかけになって自分が大きく変わったんだと思います。

大学生活の良さって何だと思いますか?

 新津&山下:自分で何でも決めることができるところかなと思います。これやりたい!と自分が興味を持ったことに対してはすぐにアクションを起こせばいいわけだし、それを誰からも制限されないし。工業設計学科は本当に広い範囲の勉強をするので、すごく間口が広くて自分がアクションさえ起こせばどんどん世界を広げることができる感じがします。

 山下:幼少期からたくさん夢があったんだけど、高校生くらいになるとだんだん現実も見えてきて、大学に入学した時にはデザインという限られた範囲で何かをする人間になるんだろうなと思っていてすごく間口が狭くなった感じがしていたんだけど、実際はその逆で今はものすごくまた夢がというか将来やりたいこと(できること)が自分の中で広がっています。

 新津:それは確かにあって、僕も入学した時には限られた領域のスペシャリストになるんだろうなと思っていたけど、実際工業設計学科でデザインを勉強していたら何か一つのことを突き詰めてスペシャリストになるということよりも、もっと広い知識を身に着けて、幅広い視点で俯瞰して物事を解釈することの重要性や俯瞰してみることができて初めてわかることがたくさんあり、それらをどう社会のために結びつけるか等を考えることの楽しさに気がつき、すごく良かったと思っています。

Q.受験を検討している高校生に言いたいことは?

 山下:たぶん芸術工学部は、世間一般でいう普通の大学生の楽しい(合コンしたり、遊んだりたっぷりある時間の大半をバイトや遊びに費やせる)のイメージで来ると間違ってしまうかも…。

 新津:それ言えてる!みんなで何かを作る機会は授業やコンペや学祭などすごくたくさんあるので、友人もいっぱいできるし先輩や後輩のつながりもすごく強くなり、やりがいもあるからかなり楽しいし、楽しいのと同時にいろいろなことが学べるのだけど、反面クリエィティブなことに興味が無く、いわゆる遊んでばっかりの大学生活を夢見て工業設計学科に入学すると、「違う、こんなはずじゃ…」って思ってしまうかもしれないね。

Q.2014年4月には4年生になりますね。大学生活も残り1年となりましたが、
やり残しているな、と思うことは何かありますか?

 山下:将来に向けてもっといろいろな経験を積み、自分が将来したいと思っていることのエビデンスのようなものを作っておきたいなと思っています。

 新津:これまではすごく芸術工学部を中心とした活動が多かったので、これからは芸術工学部だけでなく、もっと外部の人などともつながりながらいろんなことをしたいと思いますし、それが芸術工学部の良さを広めることにもつながるような気がするので、もっと外向きの活動を増やしていきたいと思っています。

Q.大学に入って驚いたことって何かありますか?

 新津:お酒の場の大切さに気が付きました。自分がお酒を飲める年齢になるまでは、お酒って気晴らしというか、娯楽というか、お酒はただのそういうものだと思っていましたし、みんなそういうものとしてお酒を飲んでいるんだと思っていました。でも、実際に自分がお酒を飲むようになってからは、お酒を通して人といろんな話ができたり、親交が深まったり、人脈が増えたり…。お酒ってすごいんだなと思うようになり、そんなこと思うようになるとは思ってもみなかったので驚いています。

 山下:僕は学年を超えたつながりがすごく強くあるという点が驚きました。もちろんサークルや学祭や学科が一緒で知ってるとかいうのは当たり前なんですけど、全然知らない先輩とかでも何かのきっかけで普通に話しかけてくれたり、知らない間に誰かを介して仲良くなっていたりと、非常に芸術工学部の人同士のつながりが強いことに驚いています。

新津&山下:あと、先輩も後輩もクラスのみんなも個性的で驚くね!(笑)

Q.将来の夢は何でしょうか?

 新津:ぼくの直近の夢はやはり2020年の東京オリンピックに出る!ということですね(笑)。まぁ何とかして東京オリンピックに関わっているという状態を作りますよ!

 山下:うーん…、まだ明確にはないですけど、日本を元気にしたいです(笑)

 新津&山下:二人の夢としては、もっと社会にデザインがどういうものか、というのを浸透させることです。デザインでできることの広さをもっと一般に周知して、世間の人々にもっとデザインを活用してほしいので、そういう社会になるような役割を担いたいと思います。

Q.芸術工学部工業設計学科ってどんな学科だと思いますか?

 新津:好奇心を持って、何か発信することが好きで、いろいろと考えることが好きな人には最適な学科だと思います。

 山下:そうだね。なんか好きなことがある人が来ると、すごく世界が広がると思う。思いもしない自分の能力が花開いちゃうよ(笑)って感じですね。