九州大学 芸術工学部 工業設計学科 KYUSHU UNIVERSITY SCHOOL OF DESIGN DEPARTMENT OF INDUSTRIAL DESIGN

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工業設計学科のまいにち

立野謙太

“デザイン”を学びつつ
“ひと”を学ぶ。

立野 謙太

2011年度入学

Q.自己紹介をお願いします。

 筑紫丘高等学校から2011年に入学しました。最初は工学部にいってF1マシンを作りたいなんて言って勉強していましたが、受験の結果からその頃ははっきりとした目的を持たずこの工業設計学科を選びました。何を学べるのかも知らずに入ってきたのは僕くらいじゃないでしょうか(笑)

芸術工学部工業設計学科の魅力を一言でいうと何だと思いますか?

 「自分の進むべき道をじっくり考えさせてくれる場所」だと思います。工業設計学科には人間工学・インダストリアルデザイン・知的機能工学の3つの専門分野がありますが、人間工学の分野でも福祉、スポーツ、照明、感性など幅広い勉強が出来ます。この勉強がしたい!と思って入ってきた人もいろんな分野と触れ合って、違う分野に楽しさを見出してがらりと進路が変わる人が沢山現れます。逆に何も考えずに入ってきた人達でもやりたいことがいつの間にか定まっているってこともあって、とにかく不思議な学科です。そう考えさせてくれる授業が多いこともあり、周りの人、環境が自然と自分の道を導いてくれます。

Q.具体的に今までどのようなことを学んできましたか?

 デザインの分野ではマーケティングから実際にモノにするまで学べます。市場にないモノを作るためのリサーチ方法を学んだり、3DCADソフトでデザインして3Dプリンターで出力したりすることもありました。僕が専門にしている人間工学の分野では、モーションキャプチャーを用いた動作解析で自分の歩くフォームを分析するのは面白かったですね。陸上で短距離をしていたのでシューズの開発に興味をもっていたこともあって、企業との共同研究の解析を手伝わせてもらえたりしました。こんなことできる学部もそうないので、スポーツに興味がある人はすごく楽しいと思います。あと1つ面白かったのは、自分たちで実験を計画するというものがあって、脳波や心電図を用いて睡眠の質を評価しました。波形を見ただけで起きているのか寝ているのか判別できるようになるし、まるで医学部のような実験風景です。1つの学部にいながら、いろんな学部でやるようなことを学べました。まさに「芸術」と「医学」と「工学」の融合だなと実感しています。

Q.3年間の大学生活をふりかえって満足度はどのくらい?

 80%くらい。1年生や2年生のときは学業に充実していたなという感じで、3年生では結構自分のやりたいことを自由にやる時間があったので、個人的に陸上競技の試合に出ていたりしました。部活ではなく自分のやりたいときにやるって感じでしたが、週2~3回の練習時間もとれたし、試合の場で人の動きを見るのは人間工学的にも勉強になりました。あとは学祭でインスタレーションという空間美術を展示するサークルで企画をして、自分がたてた企画が100人以上のメンバーの手で1つの作品として出来上がったときは感動したし、学科・学年を越えての仲間とともに何かを作り上げるという貴重な経験が出来ました。あと20%はやりたいけどまだまだ挑戦できてないことがあったので、これからあと1年間で大学のうちにやりたいことにトライしたいです。

Q.大学(工業設計学科)に入学して得たものは何でしょうか?

 考え方ですね。絶対にこれが正しいと思っていても、他の人はまったく自分が予想もしなかった発想をしたりします。そんなひとりひとり際立った考え方を持った人が集まっている学科です。何が正しいというわけではありません。結局は自分が決めることですが、そのために沢山の周りの意見を聞いてみることで正しいと思える道がどんどんはっきり見えてくる、これは他の学部ではなかなか実感できないことだと思います。

Q.将来の夢は何でしょうか?

 この仕事がしたい!というものは明確に決まっていませんが、「人間工学」をもっと知ってもらいたいという目標はあります。自分もこの大学に入るまではデザイナーって単にデザイン画を描いているような人だと思っていましたし、世の中の人の認識もそうだと思います。でも、人にとって最適な製品を生み出すデザインためには、脳波やホルモンなどの生体信号、生理指標を扱って評価することが必要になることもあります。僕らはデザインを学ぶとともにヒトについて学んでいます。そのことをもっと広く知ってもらえるように努力したいですね。

Q.芸術工学部工業設計学科の受験を検討している高校生のみなさんへ一言!

 人にとって良いモノはどうやって生み出されるのか。その答えが発見できる学科です。 今や世にある製品はユニバーサルデザインやユーザビリティは当たり前となっていて気付かないことも多いですが、皆さんが使っているものすべてに人間工学が関わっています。その仕組みはなにかと気になった人、次はあなたが人にやさしい製品をつくる番です。 ここで学んで世界中の人に使ってもらえる製品を一緒に生み出しましょう。