工業設計学科のまいにち
研究者になりたいという夢に向かって
柗本 吏子
Riko Matsumoto
工業設計学科を選んだ理由
高校生のころは研究者になりたいと漠然と思っていましたが、同時に絵画教室にも通っていて絵が得意だったし、車のデザインにも興味があったので美大に行く事も考えました。ただ、美大で美術をやるだけだと、自分はきっと満足できないだろうと思って、芸術工学部工業設計学科を選びました。入学して、人間工学を勉強するなかで、想像していたより研究的だと感じました。もともと研究者に興味があったので良かったと思っています。半面、絵の方は高校時代から自信はあったのですが、絵画とデザインは違うということに気づきました。デザインの上手い同級生がたくさんいて、良い刺激になりました。 将来は企業などの研究所で働きたいと思っています。いま考えると、高校時代、車のデザインに興味があったのも、車の外観というよりは、車いすの人や子どもにも乗りやすい車はどうあるべきかなど、使う人の側の視点だったようです。当時は気づいていませんでしたが、やはり人間工学に興味があったのですね。
初めて自分たちで計画した実験
3年生の後期に、自分たちでテーマを決め、実験計画を立てて行う人間工学の授業がありました。まず皆でテーマを出し合ったのですが、その時に「人間は異性と手をつなぐと本当にワクワクしたりドキドキしたりするのかを、血圧や心拍数などの生理値によって実証する」という提案を出したら皆が興味を持ってくれて、自分がリーダーになって実施することになりました。男子が、男子の手を握った時と、女子の手を握った時、マネキンの手を握った時の心電図や血圧などを計って比較しました。結果は意外で、生理的には、異性の手を握ったときよりも、同性やマネキンの時の方が緊張していることが分かりました。
この経験を通して、強く感じたのはもっと勉強しなければということでした。特に、さまざまなデータを解析するのに特別なソフトウエアを使ったのですが、マニュアルが全部英語で書いてあって苦労した時や、出て来た数値をどういう風に解釈するのかが難しかった時に感じました。それから数値を解析するには、知的機能工学で学ぶことが役に立つことにも気づきました。