九州大学 芸術工学部 工業設計学科 KYUSHU UNIVERSITY SCHOOL OF DESIGN DEPARTMENT OF INDUSTRIAL DESIGN

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卒業研究

工業設計学科では、すべての学生が4年生になると研究室に配属されて、1年かけて専門分野の研究を行います。1年生から3年生まで万遍なく学んできた、人間工学・知的機能工学・インダストリアルデザインの3つの分野を統合した知識や経験の上に自分の専門を深めた集大成が卒業研究です。ここでは、2017年度卒業学生の幅広い研究成果をご紹介します。

2017年度・卒業研究

  • 二日市温泉における温泉の新たな入浴体験に関するデザイン研究
    礒部 嵩人
    近年、少子高齢化に伴う労働人口の減少によりこれまで日本の経済を支えてきた製造業を中心とする第二次産業は新興国の攻勢にさらされ縮小すると推測されており、観光・サービス業を中心とする第三次産業の成長が期待されている。本研究では二日市温泉においてデザイン研究を行なった。
  • 観月坂団地における地域コミュニティ活性化
    上田 希咲
    近年全国各地で活発に団地再生の活動が行われていますが、その対象となっている団地は戦後(1960~70年代)に建設されたものです。本研究では1980~90年代に建設された次期高齢化・老朽化団地に着目し、高知県観月坂団地をケーススタディとして、今後直面するであろう問題への対策、今抱える問題の改善を目標とし、観月コミュニティセンターのリニューアルの提案を行いました。
  • 受動的機能構造の活用に関する研究
    上原 貴寛
    近年,安価なFDM式3Dプリンタが普及し,簡単に3次元造形が出来るようになりました.しかし,造形するときに材料の樹脂が熱収縮を起こすため,造形物に反りなどの歪みが生じてしまうことがあります.そこで,本研究では造形物の内部構造に注目して,造形時の熱収縮による歪みが小さくなる構造についてCAEソフトウェアを用いて検討しました.
  • 先天色覚異常をとりまく社会的課題に対するデザイン提案
    内村 謙也
    日本では男性の約5%、女性の約0.2%が先天色覚異常です。それほど珍しくはないにもかかわらず、色覚異常の認知度は低く当事者でも自覚や知識を持たないことがあります。その自覚不足、知識不足によって進路就職のトラブルが色覚異常を持つ人に起きています。この問題の解決のために、家庭内に親子で色覚異常に気づく機会と色覚異常の知識を得る機会を作るツールとして色覚異常の世界を伝えるブックレットを製作しました。
  • 待ち合わせのための場のデザイン提案
    ― 福岡市中心市街地を対象として
    梅橋 龍平
    地域に親しまれている待ち合わせ場所は都市回遊行動の拠点となります。しかし専用の場として十分に整備されていることは少なく、居心地の悪さや通行の妨げになっている様子が見受けられます。本研究では待ち合わせ場所の現状と求められる機能を調査し理想的な場を提案することを目的としました。最終提案では博多駅に設置することを想定し詳細な設計を行いました。
  • 実生活におけるL-Serine摂取が概日リズムの光同調に及ぼす影響
    大橋 路弘
    生活習慣の乱れは概日リズムの乱れに繋がりやすく、肥満・鬱病・社会的時差ぼけの一因とされているが、非必須アミノ酸である「L-Serine」を摂取することで概日リズムの光同調が促進されることが近年の研究で発見された。また、その効果はヒトに対しても有効であることが実験室での実験により確認されている。本研究では、L-Serineが実生活においても概日リズムの光同調性を強めるという仮説をフィールド実験によって検証した。
  • パブリックにおけるパーソナルな空間の研究
    大渕 浩史
    「安らぎ」とは、現代人にとって、精神的、心理的、身体的に不可欠なもので、身体的な生理安静状態を指すと定義されている。現代人は様々なストレスに面しており、特にパブリックな空間では、街中などで窮屈感を感じたり、どこか落ち着けない状態だったりするなど、自分だけのパーソナルな空間を確保することが難しいのが現状である。「安らぎ」には様々な物理・心理的要因が複合していると考えられる。本研究では、研究室空間において「安らぎ」を確保できるエレメントのデザインを検討する。
  • 寒冷誘発血管拡張反応に低圧・低酸素が及ぼす影響
    岡坂 拓哉
    手指の冷水への曝露を長時間行うと血管は拡張し、皮膚温が上昇する寒冷誘発血管拡張反応(CIVD)が引き起こされることが知られている。しかし、CIVDの発現メカニズムは未だ明らかになっていない。本研究では、冷水浸漬が組織の低酸素状態をもたらし、血管弛緩因子が分泌されることでCIVDが引き起こさると仮説を立てた。そこで本研究では、CIVDに低圧低酸素が及ぼす影響を明らかにし、低圧低酸素環境ではCIVD発現時間が早くなる仮説を検証することを目的として行った。
  • トゥスプリングの高さの違いが歩行動作へ及ぼす影響
    岡部 直斗
    高齢者の転倒は足部もしくはそれを覆う履物の先端部のつまずきが大きな原因であるため、これを防止する機能を持つ靴が必要であると考えられる。先行研究では靴の先端部の反り上がりを表すトゥスプリングにより靴先端部と障害物の接触リスクを減らし、つまずきにくくなると報告されている。しかし、トゥスプリングが高齢者の歩行動作全体にどのような影響を及ぼしているかは明らかではないため、本研究ではその検証を行った。
  • 福岡市における地域小劇場のデザイン提案
    緒方 卓也
    福岡市は劇団数83団体、地域小劇団による年間公演数462公演を誇り、九州の演劇界の中心となっている。若手支援の取り組みも活発で、劇団数は年々増えている。一方で2016年より相次いで劇場が閉鎖し、年間の公演数も3/4程度まで減ってしまった。その原因として娯楽メディアの多様化による地域市民と劇場の希薄な関係が挙げられる。そこで本研究では、福岡市の演劇シーンを活性化させるとともに、市民と劇団をつなぐ次世代の劇場のデザイン提案を行う。
  • 床材の違いが高齢者の歩行動作に与える影響
    小川 タケル
    日本では高齢化が進み、高齢者の転倒事故が大きな健康問題となっています。高齢者の転倒の多くは自宅で発生しているため、住宅内での転倒防止が重要です。日本では住宅内で靴を脱いで生活するため、足部がほぼ直接床材と接し、床材が人の歩行により大きな影響を及ぼしている可能性があります。そこで本研究では日本の住宅で用いられる3つの床材(フローリング、カーペット、畳)を対象とし、床材の違いが高齢者の歩行動作に与える影響について検証しました。
  • 自作ヨットキットの提案によるセーリング文化の普及
    金子 壮太
    セーリング競技人口が減少している。そこで、わかりづらく経済的に敷居の高いヨットというマイナースポーツを身近なスポーツにするための製品、自作ヨットのキットの開発を行った。既存の設計図を用い実際に木製ヨットを製作し、進水検証を行う事で設計要件を抽出し、新たに設計を行った。作る喜びと自然と遊ぶ楽しさを両立し、経済的負担を軽減した学生セーラーだった社会人向けのヨットのキットを提案した。
  • 大学生の健康管理のためのデザイン研究
    神谷 佳希
    大学への進学は生活環境が大きく変わるきっかけの一つです。生活環境が人それぞれ変化していくのと同時に健康を取り巻く環境も変化します。大学生の健康のための行動について調査すると、お金がかかる行動を避ける傾向があり、お金と健康の強いつながりがわかりました。そこでレシートをきっかけとして1日のお金の流れから健康について考えるための時間を設けるためのダストボックスを提案しました。
  • 食品ロスの認知を広めるためのデザイン提案
    河野 澄香
    食品ロスとは、食べられる状態にあるにも関わらず捨てられてしまう食品や食材のことで、世界規模で問題になっているが、認知が進んでいないのが現状である。食品ロス問題の解決に向けて、まずは食品ロス自体を認知してもらうために福岡県の消費者に働きかける。これは野菜と健康テーマにした食品ロスの認知を広めるための地域コミュニティ空間であり、そのコミュニティで団結し食習慣から変えていくことで生活の中に食品ロスを意識していけるようになる提案だ。
  • 地域への愛着に繋がる博多織のデザイン研究
    菅 美咲子
    地域性が強く歴史もある伝統工芸品は、現在その地域の人にとって馴染みのない存在となっています。そこで、福岡の伝統工芸品である博多織を地域の人に向けて提案することで、より地域への愛着に繋げることを目的としました。調査から「博多織をツールとした地域コミュニケーションを促進するしくみ」が最も愛着に繋がると考え、皆で制作した博多織をプレゼントし、ハレの日を皆で祝うしくみを提案しました。
  • 人と都市環境を含めた電気自動車のアドバンスド・デザイン
    菅崎 拓真
    「京都のモビリティ」をテーマに、様々な価値を付加することができる電気自動車が、特定のユーザーに対してどこまで寄り添うことができるかを検討した。都市部で人口過密が起こっている観光地としての都市環境の側面、観光客や現地の人など様々な人が行き交う場としての側面の両方向から「移動を観光にするモビリティ」の提案を行った。京都市内に格子状に伸びる路地を走ることにより、徒歩では叶わなかった様々な文化に触れることができるようになる。
  • 再配達を減らす、新しい宅配サービスの提案
    神代 真徳
    近年増加している働く一人暮らし・共働き世帯は、通常宅配サービス時間中の不在率が高く、再配達となる荷物の多くが、それらの世帯への宅配荷物である。再配達を減らすためには、通常宅配サービスとは別の、彼らに合わせた新しい宅配サービスが必要であると考えた。そして、荷物の手渡しこそが宅配会社の理念であり、配達におけるやりがいを生む。各宅配会社が、新たに提供するTwilightDeliveryサービスは、平日の夕方から深夜に行われる、働く一人暮らし・共働き世帯専用の宅配サービスである。専用配達員T.Dドライバーが、荷物を一発で手渡しする。
  • YouTubeにおけるサムネイル画像とタイトルの研究
    佐藤 亮介
    最近、動画共有サイトYouTubeに動画をアップし、広告収入を得る職業である、YouTuberが若者の間で話題になっています。しかし、動画の再生回数を増加させ、十分な収入を得ることは難しい状況です。本研究では、多くの視聴者に選択される動画のサムネイル画像とタイトルの作成方法を提案することを目的としました。調査から、動画の内容別に、視聴者に選択される具体的な要素を抽出し、それらを組み合わせたもの作成しました。
  • 動物と人間の理想的な共存の在り方についての研究
    田中 佑龍
    現代社会では人間と動物の関係性について、飼い主のペット虐待など、様々な問題が顕在化してきている。一方でアニマルセラピーや子供の情操教育など動物の有用性に注目が高まっている。本研究では、動物と人間の共存の新たな可能性を探るために、犬のコミュニティとそのサービスの提案やリードのデザイン、アプリの提案をおこなった。
  • 避難所でプライバシーを保護する製品に関する研究
    鶴田 芳理
    避難所の課題の中で、プライバシーの保護と物資のスペース不足に着目しました。課題解決の手段として、避難所に常備されている用具をパーティションに代替することで、新たにスペースを取ることなくプライバシーを守る製品ができないかと考えました。そこで、多くの避難所に共通して置いてあるパイプ椅子を利用し、パーティションに変形する製品を提案しました。
  • わざわざのわくわく
    藤 匠汰朗
    面倒さを取り除いていくことが、正しい社会の進み方なのだろうか。もちろん、技術の進歩によって生み出された利便性という価値は私たちの生活を劇的に変え、それなしでは生きられないと言っていい程となった。しかし、人々の幸福のため、暮らしを豊かにするためという目的で社会は多くのプロセスを省いてきたが、同時に多くの何かも失ってきた。私はその何かを明らかにし、展示という表現手段を用いて面倒さについての問題提起を行なった。
  • 水泳初心者のモチベーションを高めるためのツールのデザイン研究
    堂本 竣平
    スポーツの入門といえる水泳の経験を良いものにすることで、その後のスポーツライフをより豊かにできるのではないかと考えました。水泳初心者の子供のための練習道具フィン(足ひれ)のデザイン提案を行いました。子供の身体に負荷をかけず、初心者が効率的に上達することをコンセプトに実験とデザインの検討を重ねました。「泳ぎの矯正」と「水流の制御」と「関節の保護」を特徴とするフィンとインナーソックスを制作しました。
  • 飛ぶ魅力の分析と暮らしへの応用
    仲田 百合絵
    飛行機やグライダーで実際に飛ぶ魅力の他に、人々の心の中には、理想の方法で飛ぶ事への憧れがある。例えば、念じれば体が浮く飛び方が私の理想だ。本研究では“理想の方法で飛んだ時に感じるであろう感覚や感情”を、真の飛ぶ魅力として定義した。アンケート調査で飛ぶ感覚や感情の理想像を一般化し、実際に飛ばなくても、飛んだ感動を得る方法を考えた。この方法を法則として使う事で、飛ぶ魅力を持ったものをつくる事ができる。
  • 大人女子のための新しい防犯アイテムの提案
    中村 未来
    想像よりも身近に潜む犯罪。私たちは然るべき対応を取れているでしょうか。防犯ブザーなんて小さい子みたいで恥ずかしい、持ち歩くのに邪魔、自意識過剰みたい、咄嗟に役に立つの?そんな大人女子たちの不満を基に新しい防犯アイテムを作りました。
  • 大野城市におけるまちづくりのデザイン研究
    中山 朋
    地方自治体が活力を持ち続けるためには、より多くの住民を獲得することが重要となります。本研究では、福岡市の南に位置する大野城市に注目し、市内外の人が「住みよい」「住みたい」と思えるような姿を目指したまちづくりを検討しました。調査・考察を踏まえ、最終的には大野城市の魅力を伝えるためのWEBサイトやロゴ、WEBサイトの認知度を高めるための展開も合わせて提案しました。
  • 障がい者のためのモビリティの研究
    長井 瑞生
    自動車や車いすは身体障がいを持つユーザーにとって、生活に欠かせない乗り物であるが、現在販売されているプロダクトにおいては相互間の移乗の連続性は未だ改善の余地を多く残している。今研究においては、複数の車いすユーザーの移乗の様子の観察や聞き取り調査を通じて、得られた情報をもとに心理面と肉体面の双方から豊かさを提供する新たな移乗の方法を提案する。
  • がんの早期発見のためのデザイン研究
    永嶋 拓仁
    癌の早期発見のためには「日常」と「医療」を繋ぐサービスが必要だとわかった。しかし、ガンを告知は従来の方法では多くの人がショックを受ける。そこで癌検査がバイタルデータ等で容易に検査可能になった近い未来を想定し、「日常」と「医療」を繋ぎ、癌告知からその後のサポートをするサービスデザインをクリティカルデザインの考え方を用い、3つのサービスデザインをプロダクト含め提案した。
  • スポーツホビーのデザイン研究
    鉈落 佑太
    FLIPPERは、全ての人々が自由に、楽しく遊ぶことのできるスポーツホビーです。唯一のルールは「立てる」ということ。液体の入ったボトルを宙に投げ、自分の体や地面にきれいに着地させます。シンプルだからこそ、自由度が高く、様々なトリック(技)を自分で作り出せます。高度な競技スポーツとしても、友人との娯楽スポーツとしても、どちらでも扱える、競技と娯楽の垣根を超えた、新しいスポーツの在り方の提案です。
  • 熱中症を予測するバイタル変動に関する研究
    新村 美帆
    近年、地球温暖化による気温上昇等の影響により、熱中症患者数の増加が懸念されている。本研究では、暑熱環境下における作業に対して熱中症を予測する生理指標及びいくつかの指標を組み合わせた指標を検討することを目的とした。暑熱環境下で運動を実施し、直腸温と各種生理指標を測定した結果、心拍数上昇量が直腸温上昇量と相関を示した。本結果から熱中症を予測する指標として心拍数が有用である可能性が示唆された。
  • 草取りの疲労を軽減するプロダクトの提案
    西竹 宏樹
    草取りは炎天下の中、しゃがみ姿勢で行う重労働である。特に業者はこの作業を1日に4時間から8時間ほど行う。また、総務省のデータによると空き家の数は年々増加しており、業者は空き家の除草作業も請け負うため、需要は増加することが予想される。需要が増加するにも拘わらず、疲労は重労働のままということに問題を感じ、草取りの疲労を軽減するプロダクトのデザインについて研究した。
  • アマチュアの演奏会における来場者の満足度に関する研究
    福本 ちひろ
    アマチュアの音楽団体にとって、定期演奏会は重要な位置づけになっている。演奏会を継続していくためには、来場者との関係構築は必要不可欠である。しかし、どうしても練習に気を取られるあまり来場者への配慮に欠け、自己満足で終わってしまうことが多い。そこで本研究では、アマチュア音楽団体を対象としたヒアリング調査や重回帰分析などを行い、満足度に影響する項目について考察し、来場者の満足度を高めるための提案を行った。
  • 視覚を使わないボードゲームの提案
    古川 映
    「スイカ割り」や「箱の中身は何でしょう」といった、視覚を使わないことが面白味の中心になっている事例に注目しに、目が見える人も、見えない人も楽しめる「視覚をつかわない面白味を含めたボードゲーム」を作成しました。「COA」は音と重さを用いて駒を識別し、記憶や推測を生む戦略性のあるボードゲームです。形、音、重さという情報の保有率の違いを生かして得点を競います。
  • 方向音痴の空間把握に関するデザイン研究
    松元 美友
    空間移動時にトラブルを抱えやすい人を一般的に方向音痴という。近年スマートフォンの地図アプリを利用する人が増えているが、地図アプリに集中するあまり適切な空間把握が行えていない問題がある。空間把握には移動中の視覚情報の取得と情報の整理が重要であるが、方向音痴の人はその動作を避けてしまう。そこで方向音痴を矯正するものではなく生活を豊かにするものを使っていくことで適切な空間把握を行えるようなものとして、行動記録を付ける手帳を提案した。
  • 気温と湿度が唾液中免疫グロブリンAとコルチゾールに与える影響
    茂木 賢太
    現代社会においては一日の大半を室内で過ごすことが多くなり、気温や湿度といった室内環境が人間に与える影響は大きくなっている。また、人間は粘膜上で作動している防御システム、局所免疫機能を有しており、その局所免疫で抗体として作用しているのが分泌型免疫グロブリンA(SIgA)である。本研究は気温と湿度がSIgAとコルチゾールに与える影響を明らかにすることを目的とし実験を行った。
  • マイクロ波ドップラーセンサを用いた呼吸動作の モデリングに関する統計的研究
    本松 裕希
    近年、独居高齢者の増加に伴い高齢者の見守りシステムの開発が急がれています。本研究では、見守りシステムへの活用が注目されているマイクロ波ドップラーセンサを、無呼吸や異常な呼吸の検知などに役立てるために必要な、呼吸時の胸壁変位モデルを構築し、実測データへの当てはめによる既存モデルとの比較、及びセンサの出力信号のシミュレーションを行いました。
  • プロダクトとテクノロジーの融合による空間演出
    吉武 聡一
    昨今、デジタルやバーチャルの技術革新により、様々な技術が空間デザインの分野に進出し、多くの企業がテクノロジーを用いた空間演出によって集客を行っている。本研究では、そのような背景を踏まえた上で、今後増えると推測されるテクノロジーを用いた方法についての調査を行い、テクノロジーとプロダクトの両者から人を魅了する点を明確化し、より魅力的な空間演出方法を提案した。
  • 仕事と子育てを両立できる職場のデザイン提案
    吉永 理紗
    女性が働くにあたって環境が整わない等の声をよく耳にします。育児に関する制度が充実してきた中、何が原因で職場に復帰できないのかを調査した上で、本研究では女性が仕事と子育てを両立できるような職場について考えました。今ある課題の解決に向けた企業内保育施設に着目し、企業にとっても始めやすいような「最小の企業内保育施設」の形を提案しました。
  • 子供の理想的なお手伝いを実現するデザイン提案
    若松 佳代子
    お手伝いの実施は、親からのニーズが高く、子供の成長にとっても重要な役割を果たしている。3つの調査から、小学校高学年におけるお手伝いへの意欲低下が課題であること、中でも掃除へのニーズが最も高いことが分かった。そこで本研究では、子供教育の専門家へのヒアリング調査を基に意欲を引き出す仕組みを検討し、小学校高学年を対象に、「成果がより見えやすく、工夫が楽しくなる掃除機」をデザインした。
  • 所有物の評価と整理のためのデザイン研究
    稲富 景
    私たちは自分の所有物をどのように意識しているのだろうか。消費者行動に着目し、「モノとの向き合い方に焦点を当てたデザインを行う」という考えのもと研究を行った。モノを意識する機会を増やすため、「置く」ことでモノと向き合い、さらに「撮影する」ことで所有物の情報を管理し所有物の整理へとつなげるプロダクトを提案する。2つの行為によって人とモノの間のインターフェースとしての役割を担う。
  • オノマトペが持つ直感性と共感性による表現の研究
    清水 淳史
    今日はスッカリ疲れたから晩御飯はレンジでチンするだけの簡単なものを食べてグッスリ眠ろう。オノマトペは簡潔に感じていることを伝えられる便利な言葉である。しかし、日本語にはそのオノマトペが数多く溢れているがゆえに意識することも少なく、その表現力の豊かさは時に私たちの感覚を鈍らせる。本研究では、そのオノマトペを遊びの中で表現力を高めるツールとして活用するためのプロダクトを提案する。
  • 新しい口紅のデザイン提案
    ― 男性化粧品の高まりを背景に
    森﨑 智崇
    近年、男性の美意識の向上に注目が集まっている。しかし既存のメイクアップ用の化粧品はいかにも女性的なビジュアルのものがほとんどである。男性が抵抗感なく所持できるデザインを提案ことで男性用化粧品市場がさらに拡大していく可能性は非常に高い。本研究では、化粧品の中でも代表的なものである口紅をケースとしデザイン提案を行った。
  • 福岡空港における利便性向上のためのデザイン研究
    今本 涼介
    今日、日本を訪れる外国人が増加している。そして、彼らは日本の公共施設の利便性向上を望んでいることが明らかになっている。その中でも約7割の人達が経路情報の入手が困難としている。これはサインや表記のデザインが国によって異なっていることに原因があると思われる。そこで、外国人の玄関口である空港を対象として、外国人を配慮した利便性向上のためのデザインについて研究を行った。
  • い草を活用した家具の提案
    緒方 胤浩
    畳の素材として1000年以上も昔から日本の暮らしに取りいれられてきた「い草」ですが、西欧文化の流入や高度経済成長などの歴史を経る中で生活様式が多く変化し、今では和室を持たない家庭も珍しくありません。しかしい草は、和の文化的な良さだけでなく、吸放湿性能や弾力性、リラックス効果など暮らしにおけるポジティブな機能性も持っています。このような良さを再認識することを目指して、い草の特徴と現代の暮らし方から要素を抽出し、本提案では「椅子座と床座の中間」になるような家具を制作しました。研究協力:株式会社イケヒコ・コーポレーション
  • 東京パラリンピックを楽しめる応援グッズ及び販促物のデザイン提案
    冨森 崇文
    東京パラリンピックの成功が期待されている中、日本国内での障がい者スポーツの直接観戦経験率は低く、競技や選手への理解も低い。現在、パラリンピックを盛り上げるべく多くの政策が進んでいるが、来場者が観戦を楽しむ方法が確立していない。そこで本研究では、文献調査とYouTube視聴調査を基に、観戦者がパラリンピック観戦を楽しむ方法を検討し、「会場全体で楽しめる、応援が可視化される応援グッズ」をデザインした。
  • US HIPHOPの歌詞の翻訳コミュニティのデザイン
    西山 直也
    洋楽のヒップホップの歌詞の翻訳がユーザーによって投稿されるコミュニティを作るためのプラットフォームを実装しました。HIPHOPの歌詞に見られる「リアルさ」を追求するメッセージに共感するファンは、他ジャンルに比べて英語の歌詞の意味を知りたい気持ちが強いという仮説に基づいて、彼らのニーズに最適化できる場所を提案します。
  • 日本でシェアリングサービスを広めるための方策
    堀内 安由美
    個人で私有する必要のないものを共有・共同利用する「シェア型消費」を基本とするシェアリングエコノミー市場の規模が世界で増加しています。しかし、日本の同市場の規模は他国と比べて小さいのが現状です。本研究では、日本における同市場の課題を見つけ、現状のありようを調査・分析し、市場規模を広げるための方策を考察しました。
  • フリーハンドで描いた楕円の形状と姿勢に関する研究
    東 昭人
    楕円はスケッチを通してイメージを伝達するデザインによく現れる図形です。古典資料にも楕円が描かれていますが、その中には楕円輪郭が正しい楕円よりも膨らんで描かれているものがありました。そこで、人は道具を用いないときに、楕円をどの程度正確に描くものなのか興味を抱き、学生がフリーハンドで描く楕円の形状について調べました。
  • 木材需要向上のためのデザイン提案
    平山 仁貴
    林業を取り巻く数多くの課題。そのなかの一つ、木材の需要向上のため、構造用合板に着目した。理由は二つ。一つは材料に国産の間伐材が使用され始めたためこの合板の需要が上がることで間伐材の使い道が出てくること。もう一つはこの合板は無垢材に比べ素材として新しく、木材として表に出ないため表現方法が少なく、新しい表現を模索する余地があると考えたためである。今回、構造用合板に加工を施し新たな価値を付加しようと製作したいくつかの素材を使用し、サイドテーブルを製作した。
  • 睡眠環境の温湿度による比較
    高井 慎太朗
    脳は生物の活動において重要な役割を持ち、睡眠はその脳を持つ生命体に特有の生理機能である。質の良い睡眠をとることで効率よく脳を休ませることでよりよい情報処理能力を発揮することができる。日常生活における睡眠がどのような条件であれば快適であるといえるのかを探り、そこから昨今増えてきている地震や大雨による一時避難先における居住性の低い環境において少しでも良質な睡眠をとれる環境の指標につなげることを目標とした。